真相

真相―神戸市小学生惨殺遺棄事件
安倍 治夫 / / 早稲田出版
スコア選択: ★★★★

最近読んでいる本がどうもヘビーなものが多く心も重たくなってくるが、興味は尽きないのでついつい次から次へと関連書物を集めてしまう。こうなってしまったのも先月末、神戸で起きた少年Aによる連続児童殺人事件の関連書(少年が通っていた中学校の校長が書いた本)を偶然、近所の図書館で目にして借りてきたのがキッカケで、それからずっと犯罪関連のレポートや報告書、そして研究書ばかりを読んでいる。まぁいろいろと読んでくると日本の司法や検察のいい加減さが目に付くばかり、というよりもカナーリ不安になってくるのだが、こんな状況で我が国の政権は、少年法を改正して小学生まで少年院にぶち込むとか言い出しているんだが、大丈夫なんかなぁ。

さて、まぁあくまで個人的な見解だが、検事調書を読み表に出ているだけではあるが当時の捜査資料なんかも読んだ上で、例の神戸の事件の犯人はどうも彼じゃないなと思ったり。いや事件が事件だからもうちょいと言葉を正確に書かないといかんね。少なくてもあの事件は、警察や検察が調書等で示しているストーリーではない!という事だけは、素人の私でも分かる話だ。

個人的には、捜査開始当時、“現場の”捜査本部が想定していた犯人像と真逆である少年Aが犯人だという結論になったのか、その流れを知りたい処である。参考までに言うと、この事件には2つの捜査本部があったとされており通常の捜査本部は、聞き取りや状況証拠から考えて犯人像を大人に設定していたのだが、当時警察庁にあったとされる“第2捜査本部”の方針で事件の犯人像が大きく変わったとされている。この事件最大の謎がここにあるのだが、こればっかりは、それこそ内部からのリークでも無い限りその真相は永遠に明かされることは無いだろう。

さて読書といえば今週私が敬愛する内橋克人さんの「悪夢のサイクル」を再読したが、これまた重い本で気分がかなりブルーになる。ここ数年内橋氏が書いてきた内容を現在起きている事柄に絡ませ、整理して提示していて内橋本初心者にもわかりやすい内容になっているんだが、書かれている内容が絶望的でしてねぇ。でも現実から目を逸らしてもいけない訳で、為政者や権力をチェックする報道の方々には、きちっとこうした現実を見つめてほしいなぁと思うばかり。ただ内橋さんの批判は往々にして当たるんでねぇ。無原則に規制緩和しろと朝日新聞辺りまでもがヒステリックに叫んでいたあの90年代、「規制緩和の悪夢」という本でそうした風潮に警鐘を鳴らしていた孤高の内橋さんの言葉は、今も昔も変わらぬ重さと鋭さで我々を撃って来る。
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  by mf0812 | 2007-04-23 02:38 | 書籍

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