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ウイングドフットの悪夢

ワールドカップを見て全米オープンゴルフを見てNBAのファイナル見てNHLのスタンレーカップを見て…なんていう無茶苦茶な生活をしていると完全に体内時計が狂ってくる。昼間から生あくびが止まらないダラシナイ日々が続いている。

しかし今日の全米オープンの最終日は、劇的というか残酷というか何と言うか。数年前の全英オープンで起きたあの「カーヌスティーの惨劇」を思い起こさせる「ウイングドフットの悪夢」とも呼べるような凄まじい試合となった。まぁ詳細は各メディアで御確認頂ければ幸いだが、最終ホールで起きた様々な出来事はドラマチックと呼ぶには少々甘過ぎる。辛口の人間模様と言うか、スポーツの熾烈さと言うか、運命の残酷さと言うか。ボキャブラリーの少ない私には上手く形容できないが、スポーツの深遠を覗かせる剥き出しの激烈を我々視聴者に見せ付けた。

毎年父の日に行われる最終日を鑑みれば、今大会は最愛の父を亡くし長期休養から明けて復帰緒戦となったタイガーのための大会になる筈だった。しかし難攻不落、難易度最上級に設定された今コースはそんな甘い幻想を持たせてはくれなかった。タイガーは見所無く予選落ちし、グーセン、ガルシアと言った有力選手も討ち死にした。長きに渡りメジャーを勝てない男と揶揄され続けた誇り高きスコットランドの帝王モンゴメリーは最終ホールで痛恨の3パットを犯して首位から脱落、メジャー優勝経験者フューイックも最終ホールでなんでもないパットを外して脱落。そしてアメリカではウッズよりも人気がある選手であり、何度も何度も全米オープンでは2位に甘んじその頂に届かなかった男、フィル・ミケルソンですらその刃から逃げ切る事は出来なかった。

最終ホール、パーで優勝の筈が、第1打を大きく曲げ、焦って2オンを狙った2打目が木に当たり30ヤードしか飛ばず、そしてグリーンを狙った第3打はバンカーに直接インし目玉に。既にこの段階でミケルソンの闘争心が再着火する事は無かった。結局ダブルボギーでプレーオフはおろか2位タイに撃沈。結局17番でチップインでパーを拾って命も拾った新鋭オギルビーが昨年末から続く安定性抜群のゴルフを花開かせ優勝。ミケルソンにとっては悪夢としか言い様の無い残酷な負け方であった。

昨年の最終日に優勝確実と言われながら自滅して沈んでいったグーセンの惨敗も記憶に新しいが、これ以上ダメージを追う負け方は無いと思われる今回のミケルソンに起きた出来事。私は昔から攻撃的な彼のプレースタイルが大好きなだけに一刻も早い彼の立ち直りを祈りたい。

  by mf0812 | 2006-06-24 10:48 | スポーツ

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