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憲法とは何か? 再々掲載

以前当日記に掲載したモノだが、思うトコあり一部修正しもう一度掲載したい

最近生活も苦しいので、友人の手伝いでテープの聞き起しの仕事等も請け負っているが、その一連の仕事の中で、つい最近読売新聞が、私案として憲法の改正草案なるものを出しているのをはじめて知った。因みにチラシが多いから&近所に読売新聞の集金をやっている人がいてその付き合いでと言う理由が主で我が家は読売新聞を購読しているが、TVラジオ欄以外我が家の人間は誰も中身を読んでいない。さて手元にある資料にその憲法草案がある訳だが、その前文を読んでいたら最後にこんな文言が書いてあった。

『この憲法は、日本国の最高法規であり、国民はこれを遵守しなければならない』

近代国家における憲法と言うのは、『国民が国家に対して与える条件、命令であり、国民は国家がその条件を遵守するように要求するものである』というのが大前提である。憲法はある意味、各種国内の法律と対峙する関係にあるのである。ところが読売新聞が考えている憲法の考え方と言うのは、一昔前の共産主義社会や軍事政権下の国、もしくは封建社会での発想と同じと感じる全体の印象である。その象徴がこの前文の最後の一節だ。こんな前提はある意味当たり前だと思っていたので、それが全く考慮されていないこの一節を読んだ時少々の驚きを感じた訳である。

しかしだ、読売新聞の社内で誰もここにツッコミ入らなかったのか?と思うと、悲しくなる。そもそも近代国家における各国の憲法を読めば大体文章構成は同じで、まず最初に国民の持つ理想を掲げ、基本的な人権の保障を明記しつつ、それを実現・実行に移すように国民が国家に約束をさせる、というパターンで構成されている。そこを前提とした上で、初めて政府に対して国民は、私的権限を制約されうる項目を含めた強大な権力を委託する。つまり憲法と言うのは、国家が国民に対し遵守すべきものであり、国民(のみ)が遵守すべきものではない、それが近代国家における憲法のあり方の筈だ。そもそも憲法で愛国心を謳うなんていうのは愚の骨頂であり、そんなものを書くことすら世界に大恥さらす事と同じである。巷に流れている自民党の改憲草案もこの読売新聞の私案もほぼ同じテイストで書かれているわけだが、こんなものは改憲論の叩き台にすらならない国際政治学上で言えば、完璧に問題外のシロモノである。正直に言えば呆れてモノが言えない、ガキの作文と同義だ。こんな稚拙な人々に国家などと大上段に語られるのも虚しいだけである。

  by mf0812 | 2005-11-23 17:50 | ニュース・評論

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