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日々雑感   9/11 GO AHEAD JUMP

アメリカにヴァン・ヘイレンというハードロックバンドがいる。彼らの代表曲に「JUMP」という曲がある。この曲の作詞者で当時のヴォーカリストであったデイヴィッド・リー・ロスは、この曲の詩について聞かれた際に茶目っ気たっぷりにこう答えている。

『よくさあ、ビルの屋上なんかで飛び降り自殺しようとしてるやつがいるだろ。で、みんなそのビルを囲んで上を見ている。あの人どうなっちゃうんだろう、危ないよ、早く助けないと、って言いながらさ。でも中には「さあ、ためらうなよ、早く飛べよ!」って思いながら見ている人もいると思うんだよ。まぁ俺がそうなんだけど(笑)この曲のJUMPにはそう言う意味も少しは入っているんだ。跳ねるというよりも、ソラを飛びたいという感じというかな』

少々悪趣味な話だが名曲であるこの「JUMP」が収録されているアルバムのタイトルは「1984」だ。このアルバムには他にも「PANAMA」や「HOT FOR TEACHER」等のいい意味での能天気で陽気で突き抜けたアメリカンロックナンバーが入っている好盤。さてこのアルバム、何でこんな変なタイトルなのかといえば、1984年にリリースされたからというぶっちゃけた話と、もう一つ理由があってこの年に「1984」という同名小説の映画化などがありアメリカではちょいとした「1984」ブームがあったのだ。

その話題の元になった小説とは1970年代にジョージ・オーウェルが書いた「1984」というSF小説。たまたま当時の米国が冷戦中のレーガン政権ど真ん中であったが故に「反共」の書として再注目を浴びたのでだがそうしたバイアスを排して中身をよく読むと反共と言うよりも反全体主義とも呼べる内容であり当時のアメリカでは政権やメディアが自分達の都合のいい部分だけをブロウアップしたなと今にして思うと感じる事しきりである。

さてこの「1984」中で描かれる近未来の国家像は「未来世紀ブラジル」同様、情報管理統制国家である。個人の自由恋愛を禁止しセックスも国家が管理する。そして国家はありとあらゆるモノを駆使し国民に対し常に戦争状態が継続している様に思い込ませる。また言論統制が激しく、新語法なる法律により言葉が規制される。その新語法では、戦争は平和と置換され、自由は屈従と称される。そうした数々の新語が飛び交う中、作中の為政者が繰り返し述べるスローガンがこれだ。

『無知は力である』

今日は2005年9月12日。小説の設定から19年が過ぎた今、その設定された状況が我が国では現実となった。

  by mf0812 | 2005-09-13 04:35 | ニュース・評論

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