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化学兵器犯罪 講談社現代新書

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4/13 情報ソース追加

イラクで囚われの身になっている18歳の少年は今秋からロンドン大学に入学しウラン弾被害について学ぶ筈だったと聞いたが、今回の拉致誘拐事件に関しての論評は、余りにも情報が少ないため差し控えるが(某TV局に出入りしている知り合いから聞いたが、事件発生当夜、今回の事件に際し、結構えげつない情報管制が首相官邸からNHK,民放のTV局の報道局長クラスに出されており、厳しい情報統制が行われているので現段階ではマトモな情報は海外からしか入ってこないのはその為だ)今回のイラク戦争ではアメリカ軍により大量のウラン弾がばら撒かれている事実は押さえておきたい。。

日本では殆どニュースになっていないが、アメリカの一部ではこのウラン弾問題が大きくなり始めている。というのもイラクのサマワに駐留していたアメリカ第442憲兵部隊に所属する兵士が帰国後に健康検査を受けた際、9人の内4人がウラン弾の残留物で被爆し、放射線障害に苦しんでいることが判明したからだ。その記事 被害兵士のインタビューのテキストこのインタビューを報じたTV局のサイト

兵士の検査をした専門家によれば、砂塵に混じったウラン弾の残留物を吸い込んだ事が、直接被爆の原因であるという。実はこのアメリカ第442憲兵部隊は、ニューヨークの警官、消防士などで構成されている部隊で、サマワで車両警備と現地警官の教育を担当していた。因みに言えば、現在駐留しているオランダ軍兵士の間に原因不明の体調不良を訴える者が出始めているそうだ。

アメリカの前大統領夫人であり現在は民主党上院議員であるヒラリー・クリントンは、上院軍事委員会に所属している上にニューヨーク州選出の議員と言う事もありこの問題に着手したようだ。この部隊の部隊員らは、帰国後公職に戻る際の健康検査でたまたまこの事が分かった訳だが、クリントンはこのような帰還兵士の健康検査が今現在全く行われていない軍の方針を厳しく批判し、法案提出に動き出している。

このウラン弾被害に関しては、世界的に日本のNPOの調査が大変進んでおり、そのチーフを務めている慶応大学の藤田祐幸助教授は、今のイラクでは局地的にチェルノブイリタイプの永久循環被爆や水俣病的被害とも呼べる胎児性被爆が頻発し、クラスター爆弾の影響と共に各種兵器による被害の複数同時進行が起きていると警告を発している。

そもそもこの戦争の大義は、フセイン政権の打倒ではなく、大量破壊兵器の問題であったが、それは国連でその証明演説をしたパウエル国務長官自身があの演説は間違えていたと認めてしまっている。その大義なき後は、イラクの戦後復興支援という名目で占領軍は駐留している訳だが、チェルノブイリ的な被爆現象を引き起こす爆弾を大量にばら撒いておいて、イラク復興支援もあったものではないが、現実はこうなっている。この場に駐留している自衛隊隊員の人体への影響も心配されるが、一番心配されるのは、この地で生活をしているイラクの普通の人々への影響である。

因みにウラン弾による放射能被爆の半減期は45億年と言われている。つまり半永久的にあの大地から放射能被爆が消える事は無い。因みに言うと、日本の購入している濃縮ウランはアメリカから入っている。天然ウランから濃縮ウランに変換する時に生じるのが(劣化)ウランの正体であり、日本が1トン購入すれば、アメリカに4.5トンの(劣化)ウランが残る計算になる。もしかしたら今のイラクで使われている(劣化)ウラン弾の一部は、我々の国の購入した濃縮ウランの残骸かもしれない。

今の話題に合わせて、書籍をピッアップしてみた。この本を読むと概ね化学兵器に関するマターはほぼ掴む事が出来る良書だ。この本と同時に『核・細菌・毒物戦争―大量破壊兵器の恐怖』という常石氏が翻訳を担当したジェシカ・スターンの著書を合わせて読む事をお勧めしたい。


書籍データ

* 新書: 277 p ; サイズ(cm): 18

* 出版社: 講談社 ; ISBN: 4061496980 ; (2003/12/21)

  by mf0812 | 2004-04-11 17:48 | 書籍

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