劣化しているのは誰なのか?
香山 リカ / / 講談社
ISBN : 4061498894
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最近、神戸事件の本を読むのをきっかけにしていろいろな犯罪ノンフィクションモノを手当たり次第に読み始め、勢い余って、少し小難しい社会学の本なんかも手を出しているがそこで気になったのが、精神科医である香山リカの見るに耐えない崩壊振りである。
まぁプロレスファンでもある私としては、例の全日からノアに移行するときの三沢へ対する失礼な発言の数々を読み、この人への不信感は増大していたが(笑)、本職の方でもここまで劣化しているとは思いもよらなかった。
この間図書館で目にした最近の彼女の寄稿文を読んで驚いたのなんの。急激な右旋回というか、いつの間にか石原慎太郎とかあの辺と同じこと言い始めていてビックリである。まぁ人間は変節するものである。変節する事自体を私は否定しない。でもねぇ。正に羊の皮を被った狼とは、彼女みたいな事を言うのだろうか。しかしホンの6,7年前までは、こんなにマッチョな事を言うとは思えなかったんだがなぁ。いつの間にかこの間この日記でも紹介したあの「人間力」とかを啓蒙するとか言う国民運動なんかにも参加していて、経団連なんかの太鼓持ちをやっているのには驚きしかないう。まぁ人間ここまで変われるのかと、ある意味では敬服致しますがね。
そんな彼女の最新作が「なぜ日本人は劣化したか」だそうである。タイトルからして読む必要性を感じない『ジャンクブック』の典型である気がするが、劣化したのは日本人じゃなくてあんただろう、と言う皮肉の一つでも言いたくなる。ブックレビューによると、例の「ゲーム脳」まで肯定しているとか。呆れてモノが言えないとはこの事だ。あんな似非科学の極地みたいなヨタ話を香山リカが肯定し始めようとは、一体彼女の中で何が起きたのか?いや元々そう言う素地があったにも拘らず、コーティングしていたものがはがれて素の本性が剥き出しになっただけなのか?何とも不可解なこの変節振りに、私はただ呆然とするしかない。
しかし何が彼女の磁場を狂わせたのだろうか。まぁこの間、教育テレビでジャイアント馬場の思い出を語る彼女の自己愛に満ちた表情と語り口を見ながら「この人、どうしちゃったんだろう?」とは思っていましたがねぇ。
# by mf0812 | 2007-04-23 03:19 | 書籍