治安はほんとうに悪化しているのか

治安はほんとうに悪化しているのか
久保 大 / / 公人社
ISBN : 4861620252
スコア選択: ※※※※※

前東京都治安対策担当部長という役職にいた人の書いた治安に関する本。そう言う役職の人が書いた本だからさぞかし怖い脅し文句が並べられているのかと思ったらさにあらず。この本は「治安」の現場いにいた人による、ある意味懺悔の書である。「指数治安」→「体感治安」、「防犯」→「治安」等と言う役所が使う言葉の置換作業のいかがわしさを現場の人物が鋭く指摘して、その危うさに警鐘を鳴らしている。本書後半では、如何にして役所経由のマスメディア発による治安悪化説が我々に印象付けられているかを分かり易く解説している。まぁこの本が売れるといろいろと都合の悪い人が出てきてしまうのでそれ程注目はされないとは思うが、本当の意味での治安問題を知りたければ本書に目を通すのが一番だろう。
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  # by mf0812 | 2007-04-27 16:37 | 書籍

THE END OF UFC@WOWOW

WOWOWでのUFC放送が中止となった。決定の報を聞いて以降、いろいろなところで情報を収集してみたが、どうやらこれはUFCサイドによる放映権料の吊り上げにWOWOWサイドがギブアップしたというのが真相の様である。プロレスファン的に分かりやすく言えば、例のWWEとフジテレビが決裂した時とほぼ同じ交渉経過と状況を辿ったであろうと推測される。

つまり別にUFCサイドには確たるネクストのメディア戦略(つまり言い換えれば日本の地上波テレビ局での放送が内定したから)という様な事があったから、WOWOWとの交渉を強気に出て決裂したわけでもなく、単純に売値に食いついてくれなかった、というだけの話だろうと思われる。

今回の交渉決裂の経過を見ていて意外だったと言うか、私の読みが浅かったなと思ったのは、UFCサイドは日本という市場を余り重要視していない、いやもう少し言えば日本の市場を研究していない、はっきり言えば甘く見ているんだな、という事が透けて見えてきた事である。どうもUFCサイドが我が国独特の地上波メディアが演じている役割の大きさを分かっていなさそうである。WWEの交渉経過と同じ道を辿りそうな予感が漂う。

今回表面上はともかく、事実上UFCの親会社であるズッファ社が経営不振に陥ったPRIDEを買い取った形になったが、これは日本市場をネクストビジネスとして重要視したと言うよりも、アメリカ国内興行を最重要視した結果、駒不足を解消する為の一環、もしくはライバル団体として芽が出る前に摘んでおくと言う経営的戦略が大きかったと見るべきではないかというのが私の読みだ。

現在の段階で様々な状況を考えるに、在京キー局の地上波メディアがUFCを放送する可能性はゼロに近い。余程のスポンサーが付くか、そのスポンサーが枠の買取でもして地方局等で深夜帯に放送するかしか有り得ないかなと思う。日本において興行を行う場合、テレビ局というメディアがバックアップに付く付かないは、その興行の成否の決定権を握っていると言い切っても差支えないだろう。

まだ話が突然決まったばかりで、各所の動きを掴んでいるわけではないが、今回の放映打ち切りにより、帝拳プロモーションが離れたとするならば、更に日本国内での興行開催は難しくなったという感じだろう。ズッファ社としては国内ではPPV放送にシフトさせたい意向の様だが、我が国のテレビネットワークの状況から鑑みて、自国での興行とは大きく異なり爆発的な収益確保は難しい。ミルコをアンテナショップ替わりにして日本や欧州向けにプロモーションを行ったが残念ながらミルコが敗れてしまい、その役目を果たさなくなりつつあるのも事実で、もしかしたらその辺の事情も重なり今回の交渉が決裂したのかもしれないとさえ私は邪知している次第である。まぁそれとこれとは関係ないだろうが。

とにもかくにも今回の騒動を見るに分かったのは、ライト級GPの動向を見ても感じるが、PRIDEという総合格闘技興行は完全に我が国の中から終焉の方向に向かっていき、UFCはアメリカ国内の興行を最優先させていくという意思を明確に打ち出していこうという、この2点ではないだろうか。こうしたUFCの、ある意味においてかなり強気の国内向け経営戦略はある意味では当たり前でもあると思うが、やや部分的にではあるが、WWEの経営判断と似たテイストを個人的には感じている。米国市場を制覇し押さえさえすれば、日本の市場も勝手についてくるはずだろう、というよく興行の世界で見受ける(格闘技に限らず)典型的なアングロサクソン思考の発露と言う面もある事を否定は出来ないかなとも思える。まぁ兎にも角にも今後のUFCの動向には注目をしていきたい。

PS 自分の書いているブログの内容が誰かにコピベされて他のブログに掲載されているのを発見(笑)まぁ私のエントリなんか別に大した内容で無いから構わないけど、先ほど一応メールにて忠告したらブログごと削除されていた。彼の意図は分からんが、まぁ暇な人がいるもんだなと変なところで感心する。

更にPS このブログをエントリ後、再びメールが来たのだが、実は知らない人ではないことが判明。まぁやっていた意図は分かったけどもね。無断でやったら驚くわねa0010263_2522554.gif
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  # by mf0812 | 2007-04-25 15:34 | プロレス格闘技

劣化しているのは誰なのか?

なぜ日本人は劣化したか
香山 リカ / / 講談社
ISBN : 4061498894
スコア選択: ※

最近、神戸事件の本を読むのをきっかけにしていろいろな犯罪ノンフィクションモノを手当たり次第に読み始め、勢い余って、少し小難しい社会学の本なんかも手を出しているがそこで気になったのが、精神科医である香山リカの見るに耐えない崩壊振りである。

まぁプロレスファンでもある私としては、例の全日からノアに移行するときの三沢へ対する失礼な発言の数々を読み、この人への不信感は増大していたが(笑)、本職の方でもここまで劣化しているとは思いもよらなかった。

この間図書館で目にした最近の彼女の寄稿文を読んで驚いたのなんの。急激な右旋回というか、いつの間にか石原慎太郎とかあの辺と同じこと言い始めていてビックリである。まぁ人間は変節するものである。変節する事自体を私は否定しない。でもねぇ。正に羊の皮を被った狼とは、彼女みたいな事を言うのだろうか。しかしホンの6,7年前までは、こんなにマッチョな事を言うとは思えなかったんだがなぁ。いつの間にかこの間この日記でも紹介したあの「人間力」とかを啓蒙するとか言う国民運動なんかにも参加していて、経団連なんかの太鼓持ちをやっているのには驚きしかないう。まぁ人間ここまで変われるのかと、ある意味では敬服致しますがね。

そんな彼女の最新作が「なぜ日本人は劣化したか」だそうである。タイトルからして読む必要性を感じない『ジャンクブック』の典型である気がするが、劣化したのは日本人じゃなくてあんただろう、と言う皮肉の一つでも言いたくなる。ブックレビューによると、例の「ゲーム脳」まで肯定しているとか。呆れてモノが言えないとはこの事だ。あんな似非科学の極地みたいなヨタ話を香山リカが肯定し始めようとは、一体彼女の中で何が起きたのか?いや元々そう言う素地があったにも拘らず、コーティングしていたものがはがれて素の本性が剥き出しになっただけなのか?何とも不可解なこの変節振りに、私はただ呆然とするしかない。

しかし何が彼女の磁場を狂わせたのだろうか。まぁこの間、教育テレビでジャイアント馬場の思い出を語る彼女の自己愛に満ちた表情と語り口を見ながら「この人、どうしちゃったんだろう?」とは思っていましたがねぇ。
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  # by mf0812 | 2007-04-23 03:19 | 書籍

真相

真相―神戸市小学生惨殺遺棄事件
安倍 治夫 / / 早稲田出版
スコア選択: ★★★★

最近読んでいる本がどうもヘビーなものが多く心も重たくなってくるが、興味は尽きないのでついつい次から次へと関連書物を集めてしまう。こうなってしまったのも先月末、神戸で起きた少年Aによる連続児童殺人事件の関連書(少年が通っていた中学校の校長が書いた本)を偶然、近所の図書館で目にして借りてきたのがキッカケで、それからずっと犯罪関連のレポートや報告書、そして研究書ばかりを読んでいる。まぁいろいろと読んでくると日本の司法や検察のいい加減さが目に付くばかり、というよりもカナーリ不安になってくるのだが、こんな状況で我が国の政権は、少年法を改正して小学生まで少年院にぶち込むとか言い出しているんだが、大丈夫なんかなぁ。

さて、まぁあくまで個人的な見解だが、検事調書を読み表に出ているだけではあるが当時の捜査資料なんかも読んだ上で、例の神戸の事件の犯人はどうも彼じゃないなと思ったり。いや事件が事件だからもうちょいと言葉を正確に書かないといかんね。少なくてもあの事件は、警察や検察が調書等で示しているストーリーではない!という事だけは、素人の私でも分かる話だ。

個人的には、捜査開始当時、“現場の”捜査本部が想定していた犯人像と真逆である少年Aが犯人だという結論になったのか、その流れを知りたい処である。参考までに言うと、この事件には2つの捜査本部があったとされており通常の捜査本部は、聞き取りや状況証拠から考えて犯人像を大人に設定していたのだが、当時警察庁にあったとされる“第2捜査本部”の方針で事件の犯人像が大きく変わったとされている。この事件最大の謎がここにあるのだが、こればっかりは、それこそ内部からのリークでも無い限りその真相は永遠に明かされることは無いだろう。

さて読書といえば今週私が敬愛する内橋克人さんの「悪夢のサイクル」を再読したが、これまた重い本で気分がかなりブルーになる。ここ数年内橋氏が書いてきた内容を現在起きている事柄に絡ませ、整理して提示していて内橋本初心者にもわかりやすい内容になっているんだが、書かれている内容が絶望的でしてねぇ。でも現実から目を逸らしてもいけない訳で、為政者や権力をチェックする報道の方々には、きちっとこうした現実を見つめてほしいなぁと思うばかり。ただ内橋さんの批判は往々にして当たるんでねぇ。無原則に規制緩和しろと朝日新聞辺りまでもがヒステリックに叫んでいたあの90年代、「規制緩和の悪夢」という本でそうした風潮に警鐘を鳴らしていた孤高の内橋さんの言葉は、今も昔も変わらぬ重さと鋭さで我々を撃って来る。
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  # by mf0812 | 2007-04-23 02:38 | 書籍

去年の2回東京開幕週を見て

中央競馬も今週から東京開催に戻ってくる。オークスダービーが控える春の本場所だ。さて確認の意味も込めてレースシングビューアーで昨年の2回東京初日の模様を見直してみたが、こちらが思っていたよりも開幕週特有の傾向が薄かったのが印象的だった。非常に興味深かったのは芝のレース。騎手の腕がレースの質をも左右する事を実感した。

そんな中でも特に藤田騎手の騎乗振りの巧みさが目に付いた。絶妙のペース判断、そして仕掛けのタイミングの見事さ。私が感心したのは9Rの新緑賞(3歳500万下・芝2300M)での騎乗だ。このレースは1枠1番のブラックランナー(鞍上江田照夫)が各馬牽制する中スルリとハナを取り先手を奪うが、最初のコーナーを回った後のハロンラップを14秒0、13秒8という極端なペースに落とし込んだ。すると中団に付けていた藤田騎手鞍上のディープウイングが仕掛けて動き、超スローに落とし込んでいたブラックランナーを交わしてハナを奪うと、そこから12.2-12.6-12.1とギアを入れ替えてペースを早めて後続を撹乱、レースの主導権を握るとそのままゴールまで駆け抜けた。

ただ後続馬の中でそうした藤田騎手の戦術を読んで呼応した騎手がいた、それが後藤騎手鞍上のユキノアサカゼ。藤田騎手の動きに合わせて番手を確保し、ゴール板手前まで激しく2頭で競り合い、最終的に競り落として頭を取っていた。この日の芝のレースでは、特に後半の特別レースで、藤田騎手と後藤騎手が互いを意識しているかのようにレースの主導権を奪い合っていたのが面白かった。対照的にこの二人がいなかったレースでは、意外にも逃げ先行崩れての差し馬による切れ味勝負になりやすかったのだが、この辺を見るに当日の馬場状態も肝心だが、騎手の乗り方次第で、当日の連対馬の脚質傾向にも大きな影響を与える事を改めて教えてくれるなと感じ入る。

話を今年に戻すが、明日の土曜日の東京競馬場では後藤騎手が11鞍も騎乗するようであるが、ダートはともかく芝のレースでは、こうした機を見て敏な後藤騎手が乗ってくる馬には注意が必要であろう。レースペースが乱れる事必至の場替わり開幕週の、特に後半の芝の特別レースでは、騎乗馬の人気の有る無しに関わらず、後藤騎手には絶えずマークをしておきたいところであろう。
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  # by mf0812 | 2007-04-20 03:41 | 競馬

裁くという事、そして裁かれるという事

神戸酒鬼薔薇事件にこだわる理由―「A少年」は犯人か
後藤 昌次郎 / / 現代人文社
ISBN : 4877982396
スコア選択: ※※※※※


改めて言うのもナンであるが、私は2年後に導入が予定されている裁判員制度に反対の立場を取っている。もっと言えば被害者による裁判への積極的関与にもあまり積極的に肯定していない。そう思う理由は様々だが、特に被害者の裁判への積極的な関与は十分慎重に期すべきだろうと考えている。

私は金にルーズな博打者だし、普通の方々と違い他人から指を差されないキレイな人生を歩んでいない、もしくは今後も歩みそうにも無い不届き者である。ひょんな事でいつ何時塀の中に入る事があるかもしれないので、それ故にこの問題はより身近に考えている事もあり、尚更にこの制度変更への不安が高いのだ。

私は最近、諸事情重なり各種の犯罪ノンフィクションの本や資料を読む機会が増えたのだが、その中で世間一般が彼が犯人に200%間違いないとメディア含めて、私自身も微塵も疑ってなかった事件の真相に重大な疑義があるのを今になって知るに尚更におっかなくってとてもじゃないが裁判に関与したいなどとは思えないのである。具体的な事名は避けるが、その当該事件の裁判資料等を見ていると、私の様な素人ですら、これが問題視されなかったのが信じられない様な証拠における重大な見落としや捜査側の瑕疵があったり、しかもその重大な瑕疵を含めた上で事件全体を見直すと、どうにも彼が犯人では説明の付かないことが見つかったりと、驚愕の事実が散見される事態となっている。

しかしあの時の世間の空気を今から思い出した時、仮にそれじゃあ証拠的に疑いが残るとして、推定無罪の原則に従って彼を無罪放免に出来るかと言ったら…正直その自信が無い。裁判員は匿名性を帯びると言っても世間からの圧力に抗し切れる訳が無い。また立場を逆にして、彼に私の身内があの事件の被害者であり裁判で死刑を求めたとする。そしてその通りに判決が下り刑も執行された後に、裁判では明らかにされなかった違う事実を知らされたら違う苦しみを引き受ける事になるだけだ。

確かに人間は完璧では無いし、冤罪が無い世界などどこにもないのは百も承知だが、ここ最近見ている事件の資料で知る驚きの事実は、世間を巻き込んた重大事件であるからこそ不安にさせる。衆人環視の中で捜査や公判が維持され、マスコミの取材もなされた筈なのに素人目にでも分かるような重篤な捜査ミスがスルーされてしまう現在の司法や警察、そしてそのチェック機関であるメディアの能力を考えると不安でたまらない。私は現状が維持されたままで裁判制度への市民参加は、危険極まりなく二次被害者を生むだけだと思っている。
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  # by mf0812 | 2007-04-18 02:38 | 書籍

今期の道営2歳戦を振り返って

今週からいよいよ道営競馬が始まる。18日の門別競馬場を皮切りにして2007年度の道営競馬が始まるわけだが、私は南関や中央競馬を中心にして馬券を買っているが殊更に道営競馬の結果に注目しているのは、余りに何度も触れているし、流石にしつこいと思って最近は触れてないが、道営2歳戦の成績が他競馬場、他地区開催での馬券に直結(しかもオイシイ馬券に)することが多いからである。

道営2歳戦の中で私が特に注目しているのは「栄冠賞」と言う道営で一番最初に行われる2歳重賞戦である。このレースの掲示板を確保した馬は、その後道営を離れ所属が変わっても、他の地区や競馬場で活躍を続ける傾向がある。この話はそれこそ繰り返し繰り返し述べていると思うので重複は避けるが、この話のポイントは栄冠賞を勝った馬、でなく掲示板に乗った馬、までその範囲を広げる事だ。因みに昨年の栄冠賞の結果と出走各馬のその後を記してみたい。

1着 ヴィヴァチッシモ→その後中央に転厩(美浦・藤沢厩舎)1回東京3日目春菜賞で1着になる(単勝8番人気)

2着 フジエスギャラント→その後船橋に転厩(船橋・林厩舎)大井では1戦2着1回。中央での成績は道営時代含めて2戦0勝と結果が出ていない。

3着 クロースハーモニー→リリーカップでも3着になる。その後中央に転厩(美浦・高橋厩舎)中央では7戦全部着外と不振を極めている。

4着 エフテーストライク→その後中央に転厩(美浦・西塚厩舎)先週の日曜日3歳300万下を快勝(単勝6人気)

5着 インパーフェクト→その後川崎に転厩(川崎・河津厩舎)中央では道営在籍時を含めて7戦1勝(単勝3人気)3着1回(単勝2人気)

今年は例年に比べて栄冠賞上位馬の不振が目立っているが、とは言え7着のレッドピクシーは川崎転厩後単勝6人気で3着に来たり、11着と大敗したアグリフェスタもその後の道営でのレースで好走し、大井でも人気薄で結果を出している。また12着に惨敗したアロマンシェスは、その後中央の芝の重賞レースで3着に来てくれたりと相変わらず期待値的にオイシイ関係は継続していた。

そう、つまり栄冠賞馬券の最大のポイントは結果を出しても人気にならないという事だ。逆に言えば人気になってしまったら余り面白みが無い訳で今期で言えばインパーフェクトがそうなってしまったかな。とにかく来期も中央の馬券作戦を考える上でも栄冠賞を始めとした道営2歳戦の動向には出来うる限り注視をしたいと思っている。
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  # by mf0812 | 2007-04-15 03:40 | 競馬

新日本プロレス 流山興行雑感

今週の月曜日、私の地元で新日本プロレスの興行があった。同所での興行は、約20年振りとなる新日本プロレス流山大会。プロレス興行は3年前のみちのくプロレス以来、新日系と言う括りで言えば例の伝説の興行であるWJプロレス以来になる。出店が虚しく1店舗だけしかないのが哀愁を誘うが駐車場は車で一杯だった。友人と共に指定席3,000円を自腹で購入。前から9列目の好席であった。

客席総数は1200弱。二階席は封鎖していたがそれは止むを得まい。グッズ売り場も意外と盛況で休憩中には永田のサイン会も開催されていた。私は友人と共に越中Tシャツを購入。「魂込めて新日本プロレス」の横断幕は健在。先日の両国大会でも見かけた顔もチラホラ。会場は上手い具合に老若男女が揃い、いい空気感だった。会場には新日公式サイト用の社員記者がPCで試合レポを入れており。雑誌のカメラマンを3名ほど来場、更にこの日はサムライのテレビクルーがいて試合の様子をシューティング、また試合後の選手インタビューなども取っていた。小雨降る中、8割方埋まっていてなかなかの盛況、試合開始時間が19時だった事も奏功したようで、興行関係の知り合い曰くこの程度埋まるなら近い将来再び同所であるかもという話であった。因みに草間前新日本プロレス社長も観戦に来ていたが観客席の後ろのほうで寂しそうに一人で突っ立っていたのが印象深い。試合終了時刻は21時40分、同会場は延長料金が発生しないとは言え、試合終了後の撤去作業は早かった。

私はプロレスを生で見るのは10年ぶりという友人と共に観戦していたが、会場のお客さんの反応を見ていると約半分以上のお客さんが、友人同様プロレスはある程度の知識はあるが、生で見るのは久し振り、もしくは初めて、という感じがした。単なるボディースラム一つで客席がどよめいていたのがその証左だろう。エルボーの当たる音ですらお客さんからどよめきが起きる。出ている選手の名前を把握しきれていないお客さんが過半数を占める中、ライガーや長州といった古参選手、そして最近テレビ番組でブレイク中である越中や中西などの登場に客席は湧く。またジュニアの試合でのリングの縦横を使った攻防にも即座の反応が出る。単純な技の応酬でも客席とリングの距離感が近い事もあるが、リアクションがダイレクトだ。この辺の素直な観客の反応を見ているとプロレスもやり方次第では、まだまだイケルなという気分にさせられるが、その一方で今日の興行の問題点も指摘しておこう。

今シリーズは蝶野の奥さんの身内に不幸があり、急遽全戦シリーズ欠場という事態になったこともありカード編成に手こずった事もあるので全部を責める気は無いが、今日のメインは長州飯塚組vs中邑バーナードという当日にカード変更になった試合であった。シリーズ開幕戦で飯塚とバーナードの間で遺恨が勃発、昨日の後楽園ホールでもやりあっていてその流れを受けてのメインであり、今日も二人の間で激しい攻防があり、試合は飯塚が暴走し反則負けになってしまった。ある意味理不尽な不透明な決着に、お客さんは露骨に不満を露にしていた。ただこういう状況を生んでしまっのはメインのみのせいだけではなく、セミの棚橋中西VS天山本間の試合で天山と中西が終始かみ合わずギクシャクした試合展開になり、お客さんのテンションが微妙になってしまったところにメインの不透明決着だったという事情も重なっての不満の積み重ねになった点は指摘しておきたい。

ただ繰り返しになるが先ほども述べたように客席のお客さんの大半は、そうした直近の新日のストーリーラインを知らない人ばかりであり、イキナリ飯塚が暴れだして反則決着となってもお客さんは「ポカ~ン」になるのは当たり前であろう。私の後ろにいたお客さんは「飯塚、今日は機嫌が悪いね。それとも何か変なもんでも食ったんかな」とか言っていて大笑いしてしまったが、まぁ普通に見ていたら訳分からなかったのが当たり前であろう。だから事情を知らないお客さんらには飯塚の振る舞いは結果的に理不尽にしか見えず、それ故に不満が残ったわけだ。

セミの前に出てきた真壁の試合でも感じたのだが、現在進行形で新日リング上で起きているストーリー展開やキャラ設定が会場に足を運んでいるお客さんに伝わりきれていない現実が透けて見える。だから乗り切れないお客さんが試合をもてあましてしまう。ジュニア勢による6人タッグマッチであった第3試合が最高に盛り上がったのは、別に稔と田口の前哨戦だったからでなく、各選手がお客さんの反応を確かめながら適度にお客さんを弄りつつ、見せるプロレスに終始したからだ。

確かに俯瞰してみた場合、理屈上は今日のメインの様な事は悪くない筈なんだが、一方でそれは目の前にいるお客さんを置いてけぼりにしてしまう事も如実に示している。ただ新日は、そうした情報ラグを大型モニターを設置して試合前に上手く説明をしていたのは好感が持てる。でも、まだまだその辺の更なる工夫が必要だろう。しかし情報が断絶された地方興行では無理してストーリーラインを展開するよりも、ノーマルな6人タッグの方が楽しめるのが現実である。現場でこそ拾える事実、いつも大会場でしか見ないプロレスであるがこうした地方の小規模会場で見ることにより大会場では気付かない発見があるなと再認識する次第だ。
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  # by mf0812 | 2007-04-11 14:40 | プロレス格闘技

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