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カテゴリ:アート( 2 )

 

James Nachtweyの世界

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一枚の写真が千の言葉を凌駕する。それは対象物が、男性であれ、女性であれ、自然であれ、事件であれ、犯罪であれ…。言葉を超える映像の力。写真の魅力にはそのような側面もある。勿論、それだけが写真の魅力ではないだろう。普段、何の気なしに取ったスナップ写真が、宝物になる事もある。

映像は主観であり、中立や不偏など有り得ないとの先人の言葉を噛み締める。現代のテレビは、最早第三の権力になったのか?否、テレビにそんな自覚はない。だからこそ怖いのだ。権力者は自覚を持ってその力を行使する。自覚のない、自覚できないメディアを使い、今日も詭弁と安い笑顔を振りまきながら、為政者は腹黒くすり抜けて行く。

James Nachtweyと言えば、ロバート・キャパ賞を5回も受賞した世界的に有名なアメリカの報道カメラマンである。(彼の公式サイト)そんな彼の姿を追ったドキュメント映画が昨年公開された。97年頃、日本でも彼の写真展が開かれたが、その時のボスニアやイスラエル等の世界で起きている、紛争の惨状を映し出すその数多くの写真に衝撃を覚えたのを思い出す。今日の昼間、NHKBSで放送されていた「戦場の目撃者・イラク戦争・カメラマンの記録」では、イラク戦争を取材するナクトウェイやその仲間達の姿を紹介していた。アメリカ的価値観や行動が次第に世界の中から孤立していく様を静かに、そして厳しく見つめていく。

ニューヨークの同時多発テロが始発点となった所謂「テロとの戦い」からの約2年間をナクトウェイの視点で冷徹に淡々と描いていく。事実でなく真実を写すと云われる、そのナクトウェイの写真の神髄に触れる事が出来るそのドキュメント作品は、「戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界」というタイトルで6/25に発売が予定されている。
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  by mf0812 | 2004-05-30 12:36 | アート

国吉康雄展アメリカと日本、ふたつの世界のあいだで

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東京国立近代美術館サイト

今週の23日から東京国立近代美術館で国吉康雄展が開かれている。国吉康雄は画家としての評価もさることながら、太平洋戦争中は敵性外国人として白眼視されながら、反ファシズム運動の先頭に立って活動した闘士でもあり、それ故に戦後のアメリカに吹き荒れた赤狩りの格好の標的にされるも、画家同士のユニオンを作ったり『絵画の著作権』という物を初めて提唱したりと、精力的に活躍しながら、アメリカ市民権を得る前に癌で亡くなったという悲運人であった。皮肉にも死後になってから、彼の評価はアメリカで高まり、現在ではアメリカ現代史の最重要人物ベスト100にこの国吉の名をあげる人もいる程になっている。

日本での国吉の評価や知名度が落ちるのは作品が余り知られていない事もあり致し方ない点もあるがとても残念である。今回この美術展で国吉の残した絵画に触れ、彼の思いに馳せて見るのは如何だろうか。彼の生誕の地である岡山県岡山市にあった国吉美術館は、残念ながら昨年の3月に閉館してしまった事もあり、今まとめて国吉の絵を生で見る機会はこのチャンスを逃せば当分無いだろうし、私も是非早く見に行きたいなと思っている。

そもそも私が国吉に魅せられたのは、今から15年以上前の事になる。勿論彼の辿った人生もさることながら、『美の世界』というTV番組で彼の書く絵そのものに感動したからだ。それがきっかけとなり国吉に関する書物等を集めるようになった。

版画を含めて、国吉が描く絵は、女性の肖像がその大半を占めているのが特徴だ。娼婦、主婦、老女…国吉は様々な女性をモチーフにして描き出し、物憂げな女性像を書かせたら国吉に優る人はいないだろう。巧みなデッサンに裏打ちされた点描。時折ユーモラスさも感じさせる大きな振幅も彼の絵の魅力の一つである。彼の描く女性には、物憂げなジャズボーカルが良く似合う。丁度国吉が渡米したのが1920年頃。あの頃のアメリカ・ニューヨークはの香りを強烈に感じさせる国吉の描く女性の姿、時代の空気に魅せられながら、人種差別や思想排斥の波に晒されながらも、己の信念に従い行動発言したその国吉の強かさに痺れたい。


東京国立近代美術館 国吉康雄展

会場:東京国立近代美術館
会期:2004年3月23日(火) ‐ 5月16日(日)

開館時間
午前10時―午後5時(入館は午後4時30分まで)
金曜日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
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  by mf0812 | 2004-03-26 03:21 | アート

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