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8.15 PRIDE GP IN さいたまスーパーアリーナ

PRIDE GP決勝@2004/08/15(埼玉スーパーアリーナ)

プライドが新たなステージに突入したのを実感した大会であった。つまり数年前のK-1と同じ段階に来たわけである。今回の小川直也の敗戦が意味するのは、プライドが『闘いの場の提供』という段階から、プライドという『ジャンルの競技化』へとリング上の戦いが完全にシフトしきった事を感じさせる。

さてこの後、プライドはどうするのか。今まで同様の異種格闘技戦的な「場」の提供を主軸としていくのか、「競技」として純度を増していくのか。 あくまで「場の提供」に拘るなら、K-1の様に様々な選手を集めてくるのだろうし 「競技」として純化していくなら、カードを上手く出し惜しみして引き伸ばしルールを微妙に変えていくしかないだろうし、どちらにせよ難しい舵取りになりそうである。

私は去年のミドル級GPを会場で見たとき「今回でピークアウトかな」と思い、某所でそう主旨を書き、プライドファンに怒られてしまったが、その感想は今も変わらない。つまりあの段階で、私怨を元に新日に喧嘩を売っている暇があるなら、次期展望を早めに打てと!提唱したかったのだが、その後男祭り、ハッスルを経て、ヘビー級GPに小川直也参戦となり、そうした私の様な懐疑的な意見は抹消されたが、今回の大会の様な贅を極めた興行は、そう簡単には打てない。必然的にこのあとは、下り坂の角度を如何に平たくして行くか。その限られた時間内で次なる展開を如何に練るか、そこが勝負になる。

まぁ普通に考えるならば「競技化への純化」は、しないであろう。既に現段階でK-1の超際物路線の陰に隠れて、プライドも玉海力とか戦闘竜とか使っている訳で、K-1と同様の展開をしている。ただ難しいのは純度は本選より高いと言われるK-1MAXですら、既に競技化が進行している感じであるトコロ。よく言われる、軽量級だから日本人でも通用するというのは、間違いで 場の提供が進めば、必然的に世界中から選手が集まる。この間のK-1韓国大会でウェイト的にはヘビーでは無いムエタイの選手が勝ち上がり、最終的にヘビー級のトーナメントに出ることが決まったが、こうした流れはある意味必然であるともいえる。

順当に考えれば、K-1もプライドもオリンピック絡みで誰か選手引っ張って来て、場の提供としての存在価値に全てを賭けていくのであろう。

当日の試合内容に関してはPPVで見ただけなので如何とも評価しがたいが、注目していた近藤の敗戦はパンクラスのリング上でこういう図式を今までほかの選手で何度も見てきているので、やはりか…という気持ちであった。しかしだからと言って、誰かを責める気は、到底無い。むしろこういう結果は、過去の総合格闘技の系譜を思い返せば、必然である訳で、止むを得まいであろう。またメインのバッティングによるノーコンテスト、というトラブルに関しては、こういう事が起きるのが総合格闘技なのである事を再確認する。

しかし考えかえれば、先に述べたように如何に平たく下り坂を降りるかという視点に立てばDSE的には、ラッキーだったとも言えるであろう。ミルコ復活という嬉しいニュースもあり駒の再生産が出来る訳で、今後の展開が少しは楽になった。ただあの段階で白黒のジャッジを下すべきなどと言う論調も見受けるが、場の空気を収めるために、それこそあの場でそんな事をしたら、一気に坂を下ってしまう事にもなりかねない。ノゲイラサイドの説得に時間が掛かった不手際が目立ち、会場的に後味が悪くなった点は否めないが、まぁPPVで見ていたものには、別段の問題はなかった(ただ会場はどうだったかと言うのは別問題であるが)

いろいろな意味でターニングポイントを迎えた感がしたプライドGP大会であった。

  by mf0812 | 2004-08-16 18:59 | プロレス格闘技

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