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日々雑感 美化された想い出

映画「三丁目の夕日」は確かに良く出来た映画だが、唯一難点を言えばあの時代、街に漂っていた「匂い」が感じられなかった事だろう。昔、東京とは言え、街中は時間帯によっては異臭が漂っていたものだ。私が幼年期でもそういう街の異臭は都会でも漂っていたものである。良き想い出は極端に美化され、悪き想い出は消去されるもので、デフォルメされた過去の幻影ほど厄介なものは無い。

昔は良かった、今の若いヤツはダメだ、という話は眉唾であるのは、それこそローマの昔から言われている事であり、何時の時代も変わらないものだ。ウチのバイト君らを見ていても昔のの自分よりもよっぽど出来がいい。いじめも昔からあったし(私の若い時のほうが酷かったくらいだ)若者の傍若無人振りも前のほうが酷かった。私の隣の中学では私が入学する前年まで校舎の中で暴走族のバイク同士がぶつかり合っていた位だもの。

特段今の若いやつらが悪いとか、非常識だとか、全く思わないが、それ以上にわれわれ含めた大人の世代のだらしなさが目立っている気がしてならない。特にトップにいる人間らに寛容性と複眼性を持たぬ人が増えているのが気になる。そのくせやたらと公共心とか道徳心とか規範とか言うものを他者に押し付ける。例の給食費未納問題もいつも間にか話が道徳心に摩り替わっていたが、実は全体的な傾向としては未納の世帯数が増えておらず、現状維持もしくは減っているという現実を御存知であろうか?

これは各種サイトで検証されているのでこちらで紹介するのは割愛するが評論家の松沢呉一が指摘している様に如何なるデータを読んでも未納家庭の全体数が増えているとは取れずに、むしろ減っているとしか読み取れない。役所のブリーフィンングに見事に洗脳された記者諸君がレクチャー通りに役所が書いて欲しい通りに、まんま書いているに過ぎないのである。

あのデータの本当の怖さは全体数が減っているにも拘らず地域間の格差がメチャクチャ大きいという点だ。それは同じ都道府県内でも格差が出てきていると言う事、言い換えれば街中にスラム街的な場所が出来始めている事を示唆している。私もビデオ屋店長として、よく近所にビラ配りなどをするので半径4.5キロ圏内を歩いて街並みを見回る事があるが最近富にそうした地区毎の生活環境格差を思い切り感じることが増えてきた。本当の問題を逸らすためにミスリードするというのは為政者の常套手段だが、そうした情報を受け取るこちらサイドには、より一層の情報咀嚼能力が試されている。

  by mf0812 | 2007-02-05 17:28 | ニュース・評論

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