日々雑感 ~改革と守旧~

今週の週刊東洋経済は、「雇用破壊」という特集を組んでいる。最近話題の「ホワイトカラー・エグゼンプション」という名の残業代未払い法案等も特集の中で触れているが、所謂「労働ビックバン」という労働体系の大胆な変更への賛否、特に賛成の立場を取る経済団体の代表や大学の学者らの意見が載っていて非常に興味深い。

今日のニュースでは残業代未払い法案は反対もあるので、とりあえず年収1000万円以上の労働者を対象にして法案を提出するようだ。こういう風にしておけば我々貧乏人の妬みや僻みの心を利用して、法案を通してしまおうという魂胆がミエミエであるが、アメリカもそうであったように、一端法律が通り既成事実化してしまえば、あっという間にその下限金額は下がるものだ。こういうやり方が高級官僚らの常套手段である。

そもそも例の労働者派遣法も何度も何度も法案は変えられしまい、いつの間にか法案提出時には絶対に導入されないと言っていた製造業への3年間の派遣も可能となってしまった。しかしそれでも、この法律では3年間派遣で働き続けた場合は、正社員で雇用を申し込める義務があったのだが、今回経済団体が要求している労働者派遣法改正案はそれすらも嫌ってこの条項そのものを削除してしまえと言っている様である。

「週刊東洋経済」誌上では日本経団連会長でありキャノン社長である御手洗氏は「3年経過したら正社員にしろでは日本のコストもたちまち硬直的になる」と述べ、条項撤廃を訴え、労働政策審議会の使用者側委員であるザ・アール(人材派遣会社)社長の奥谷禮子氏は「過労死の問題も含めて自己管理であり自己責任の問題だ。個人的には(身体が)弱い人が増えているのも一因だと思っている。自分でつらければつらい、休みたいと主張すればいいのに、それもしない。結果、会社が悪い、上司が悪いと他人のせいにする。そんな風潮がよくない」と述べている。

何度読んでも、一体どの国の話かとクラクラしてくるこれらの発言。紙面で彼らは真顔でこんなふざけた事を言っている。しかもマスコミでは、彼らを「規制緩和推進論者」「改革推進論者」と呼び、彼らの主張に反対をしていた人らを「守旧派」と呼んでいる訳だ。これが小泉安倍政権の言う「改革」の実体なのである。私は大学中退後からずっと自営業者であり、会社勤めの経験が無い男であるが、過労死するのは労働者のせいだという事をいけしゃあしゃあと言ってのける経営者がふんぞり返る世の中だけは、ゴメン被りたいなと思うのである。
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  by mf0812 | 2007-01-12 02:48 | ニュース・評論

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