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NBA FINAL ブラウンの深謀

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今回ファイナルに進出したデトロイト・ピストンズのラリー・ブラウンHCは、HCとしての力量の評価が大きく振幅する人である。ペイサーズ時代のミラーとの確執にまつわる意見、76ers時代には、口がさないメディアに「アイバーソンのお守り」などという酷い言われようをされたりもしているが、今シーズンのラリーは正にHCの鏡の様な存在として、メディアで取り上げられる事も少なくない。そんなラリーブラウンの真骨頂と言えば、オールド・スクールの代表として知られるように「フォア・ザ・チーム」の徹底とディフェンスの鬼と呼ばれる鉄壁なプロテクションだ。

76ers時代にレイカーズとはファイナルで対戦し4-1で敗れたが、その時は絶対的な戦力比較で劣る7レイカーズ相手にガード4人にムトンボと言う奇策を用いて撹乱したり、シャックへのファール攻撃(ハック・ア・シャック)を多用したりと、ありとあらゆる手を下したにも関わらずボロ負けしたその印象が悪く、ブラウンの戦術はあまり評価をされていないが、あのシリーズを見て逆に私は「ラリー・ブラウン、恐るべし」と感じたものである。絶対的に勝てそうにも無い相手と組み合わざるを得ない時の心構えと言うか、戦略というべきか、そうした戦術の奥深さを感じたからだ。あの時の第3戦、もし76ersが取っていたら、どうなっていたか、私は分からなかったと、今でも思っている。

さて今回のファイナルは、一言で言えば『ラリー・ブラウンVSレイカーズ』がテーマである。スター選手揃い踏みのレイカーズ相手に有名選手が少ないデトロイトがどういう「抵抗」を試みるのか、そんな見方がアメリカでも大勢を占めているようだが、戦前の記者会見でのラリー・ブラウンの発言を聞くに、私は、ブラウンには何かしらの策があるなと感じた。

そして昨日の第1戦である。徹底的なダブルチームの多用、宣言どおりのハック・ア・シャックを放棄した守備、シャックとコービーには自由にさせておいて、他のプレイヤーの自由を奪う、正に「肉を切って骨を断つ」差し違え戦法が奏功し、下馬評を覆し第1戦を完勝した。ウォレスの出し方、プリンスの使い方。入念に考えられたその作戦を目の当りにして、ニンヤリとしたのは私だけではない筈だ。

まずはラリー・ブラウンによる「ケタグリ」は成功した。しかしレイカーズHC、フィル・ジャクソンもしてやられたのは今回だけ。必ず第2戦は対策を練ってくるはず。そして勿論ブラウンもそのフィルジャクソンの対抗策を考えているはずだ。

策士の次なる手は?そして絶対的有利さを持つレイカーズ陣営は、その手をどう読み、どう打ち返すのか?NBAファイナルは、次の第2戦が、今シリーズの命運を全て握るといって差支えない、大事な大事な試合になる。レイカーズは勝たなければならないし、デトロイトは勝つにせよ負けるにせよ、その試合展開が大切になってくる。注目の第2戦もレイカーズのホーム・ステイブルセンターで行われる。

  by mf0812 | 2004-06-09 04:05 | スポーツ

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