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興行の妙

今週の月曜日にWOWOWで放送されたエキサイトマッチのアントニオ・ターバーとバーナード・ホプキンスによるIBOライトヘビー級のタイトルマッチは試合内容もさることながらそのマッチメイクの上手さも含めて実に面白かった。この興行を主催したのはこの間見事な復活劇を演じて見せたオスカー・デラホーヤがトップを務めるゴールデンボーイプロモーション。デラホーヤはボクサーとしても、そして興行主としても大成功を収めている。

そんなデラホーヤが手掛けた今回のタイトルマッチ。挑戦者はミドル級の帝王・死刑執行人のあだ名を持つホプキンス。その昔デラホーヤが6階級王者として臨んだ4団体統一ミドル級タイトルマッチで敗れた相手でもある。そんなホプキンスも齢40を越し10年以上守り続けたミドル級のチャンピオンを失い、ここ2戦は精彩を欠き引退を賭けたこの1戦を迎えたのだが興行を手掛けたデラホーヤはなんと2階級上のライトヘビー級の帝王であるアントニオ・ターバーの相手としてオファーを掛けた。

何せアントニオ・ターバーといえばあのロイ・ジョーンズを2度にわたりノックアウトした化け物である。余りに強すぎて相手がいなくなってしまった選手で彼にしてもウェイトを上げてヘビー級に行く前に丁度イイ「獲物」としてホプキンス戦を承諾したはずだ。ホプキンスにしても過去2戦の敗戦を打ち消さすには最高の相手を得た。オファーを受けやすい相手を選んでもらった訳だ。実際戦前の予想も圧倒的にターバー有利であったのだが、これが分からないからボクシングは面白い。

今まで余りに強すぎてヒール的な扱いを受けていたホプキンスが入場するや否や引退戦という事情と圧倒的不利の前評判が重なりヒーローの様な出迎えを受けてしまう。それに気を良くしたからという訳ではないだろうがゴングが鳴ってからというもの、今までの2戦が別人の様に軽快な動きを見せ往年の切れ味を炸裂!結局あのターバーに何もさせぬまま、終始圧倒し勝ってしまう。思わぬ結果に熱狂する会場、ダイナミックなサプライズの結果を齎せた見事な興行になった。

しかしこうして改めてデラホーヤのプロモーターとしての辣腕振りを見せられると、そんなデラホーヤが興行主として興味を示しているという長谷川穂積を、彼のプロモートで試合させてやりたいなとつくづく思う。彼の力量と世界的な評判、そしてデラホーヤの力を持ってすればラスベガスのメインイベントに名を連ねる事も出来るのだから

  by mf0812 | 2006-07-31 23:42 | プロレス格闘技

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