CNNとアル・ジャジーラ

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今アメリカのメディアでは、中東のニュース専門の放送局「アル・ジャジーラ」への批判が集中している。中東で初めての政府が干渉しない民間放送局として誕生当時は中東に民主主義が根付いたと絶賛されていたのだが、9.11のテロ以降、アメリカを脅かす勢力の一翼を担っていると批判が多くなり、昨年にはアメリカ国内にあったアル・ジャジーラの支局が閉鎖される事態にまでとなっている。

しかし面白いのはアル・ジャジーラの姿勢は開局当初から変わっていないという点である。アメリカの一部には出資者にアラブの富豪がいるのでアンフェアなどという論調があるのだが、それを言ったらアメリカの3大テレビ局はみんなアンフェアということになる。特に準メジャーテレビ局であるFOXTVなんかはメディア王ルパード・マードックという一人の大金持ちの一族で事実上運営されているわけで、アル・ジャジーラどころのアンフェアではない。

さて最近になりCNNの記者がアル・ジャジーラの記者に取材を行っているがこれが報道関係者間で少々話題となっているという。下記に抜粋翻訳を掲示したのでこの件に関する論評は、それを読んだ人それぞれに任せるとして、私の個人的な意見を言わせて貰える事を許されるのであれば、あれほど中立性を説いてきたアメリカのニュース番組がここに来て過去(9.11テロ以降)の放送指針と現在の状況との整合性が合わなくなってきたのがまずかったのか、どうなのか、余りにもニュース内容が更に偏向性を帯びてきている危うさを感じているが、果たして。下記にその取材内容を抜粋して翻訳している記事を紹介しておくので、各自の参考にされれば幸いである。

<記事オリジナル↓>
アル・ジャジーラとCNNのインタビューレポートを紹介しているサイト


カタールに本拠を置くアル・ジャジーラは、イラク国内の市民の死を伝える唯一のメディアとして注目されている。2004/04/12にCNNの「Wolf Blitzer Reports」のレポーターとして、ケーガンはアルジャジーラの記者アル・シェイクにインタビューをしたが、彼女はファルージャの現状を良く知るシェイクに対して、最近良く出ている米国政府や米軍関係者のアルジャジーラ批判に対する意見を求めるという形でスタートした。

その中ではアル・ジャジーラの報道する写真やレポートは問題解決に貢献せず、フラストレーションや怒りを駆り立てるだけではないかとの自説を展開してアルジャジーラの批判に終始。それに対しアル・シェイク氏は、アルジャジーラの報道内容が正確であり、配信された映像はイラクの国内で何が起こっているかを反映したものであると説明すると、ケイガンは 「しかしイラク市民の死亡者数は、単純に米軍によって殺されたかもしれない市民の犠牲者数というより、ゲリラ兵が(ファルージャで問題を起こしている人たち)市民に紛れ込んでいて、結果としてより多くの市民が殺されることになったという事情があるわけで、イラクのゲリラ兵が米軍の対応に並行して行っていることのほうが重大なのではありませんか?」と応酬した。

ここで注目すべきはCNNの論拠である「イラクのゲリラ兵が米軍の対応を誘発していることは、イラク市民の死よりも重大なことである」というこの言葉は現地イラクで取材を続けている全ての報道関係者には驚きの表現である。特に米軍関係者が、イラク市民の犠牲を否定し米軍によって殺された女性や子供の死体のビデオを証拠とみなす必要はないといっている状況にあっては尚更であろう。

米政府関係者が証言する内容とおおいに異なる事実を報道をしているというのならその対象は、アル・ジャジーラだけではない。米国人ジャーナリストでファルージャに滞在するラウル・マハジャン氏によると、少なくとも600人のイラク市民がファルージャで殺され、その内200人は女性、100人は子供で、成人男性のほとんどは非武装の市民だっという。マハジャン氏は、「18歳ぐらいの若い女性が、頭を撃ちぬかれる場面」を、病院では「大量の皮下出血をしている少年」を目撃したと報告している。「停戦中」にもかかわらず、アメリカ兵は、砲撃と狙撃で攻撃を続け、病院も標的にしていたという。狙撃兵の行動については、米国人ジャーナリストのダール・ジャメイル氏も同様の報告をしている:「米国の海兵隊は市民に対して無差別に射撃を続け、明らかに救急車と判別できる車両まで攻撃したと、ファルージャ住民は話していた」と語っている。

何百人ものイラク市民が米軍によって虐殺されているという情報が現地から報告されている状況にあって、CNNがやるべきことは、虐殺の事実の裏づけをとるためにアル・ジャジーラの映像を検証すべきであり、映像を隠蔽しなかったということでアル・ジャジーラの編集者を困らせている場合ではないのではないか?




※しかしこの件の一番の問題は、このインタビューの内容が皮肉にもアル・ジャジーラの電波に乗り中東地域に一瞬のうちに伝播してしまった事であろう。アメリカは政府だけでなく報道関係者も同じなのかと見られるのは、非常に厳しい。元CNNの敏腕ジャーナリストであり、今回のイラク報道でアメリカ軍に批判的なリポートを送ったとして解雇されたピーター・アーネットは、米軍だけでなくアメリカのメディアも中東での振る舞いを真摯に考えるべきだと警鐘を鳴らしている。

※※しかしこれだけ自己責任論を広げたのだから、日本人の大半は間違ってもこのGWに海外旅行、特にアメリカやイギリスの領土には行かないんだろうなと思うので、旅行代理店も大変だろうなと思う訳だ。6/30の政権移譲に際して尤も鮮烈なテロや暴動の危険性が5月以降世界の各地で噴出するのは明らかである。しかもイスラエルでアメリカはパンドラの箱を開けてしまった。こうなれば、世界中の『アメリカ的な場所』で何が起きても不思議ではない。

因みに言えば私の場合は彼らに自己責任を取れなどと言うつもりは毛頭ないが(むしろ尊敬の念を抱くくらいだが)そもそも最初からお金も暇もないので海外旅行はおろか国内旅行も出来ないからどうでもよく、しかも周囲の友人も似たような境遇にいるので海外旅行などいける訳も無くただ働くのみである。まさか去年よりGWの海外旅行者の数が増えるとは思えないが、その数は国内旅行にシフトするのだろうか。

※※※更に因みに言えばジャーナリストが紛争地域で拘束されてトップニュースになるのは日本だけである。更に更に因みに言えばフィリピンでの若王子氏誘拐事件を思い出せば分かるのだが、誘拐証明のVや写真に演出が施されるなどというのは余りにも当たり前の話であり、それがニュースになるのが意味不明なのである。私の様な十年ほど前に地方新聞でバイトしていた程度の知識しかない人間ですらこんな事を知っているのに日本の報道機関の外報部はそういう知識がないのか、それとも知っていて書いているのか。一体何をやっているのか。それからニュースで出てくる「イスラム聖職者協会」というのは誤訳であり、正式には「イスラム法学者協会」が正しい。サマワの呼び方には気を使うNHKならこの程度の事は分かる筈だが、何をどうしたものなのか。


また更に更に更に因めば、この間アメリカの民間人で誘拐された人がいるが、彼はハリバートン社の募集に応じ、出稼ぎ労働者としてイラクに金を稼ぎに行ったのだが(その紹介記事)アメリカ国内で自己責任論や家族らへの救出に掛かる損害賠償請求などの論調は私の見る限り一つも無い。また参考までに触れておくとアメリカ兵士の死者は25歳以下が多く(20歳以下が10分の1を占めているとも言われている)であり、また市民権を得る為に従軍している有色人種や移民出身の若者である。そして民間企業の労働者としてイラクに赴いているのは、こうした不況に喘ぐ地方の失業者が職を求めて参加している事も付け加えておきたい。この件に関して触れるのは、詳細も分からぬ事であるので当面はこれを最後にしておく事とする。
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  by mf0812 | 2004-04-22 16:41 | ニュース・評論

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