人気ブログランキング | 話題のタグを見る

BLACK&WHITE

少しだけでも株をやった事がある人間ならば、今度のフジテレビとニッポン放送が行う予定の大量の新株予約権発行がメチャクチャな話であるのは簡単に分かる話だ。法律違反スレスレでなく完全な法律違反である。じゃあ、かといってライブドアが仕掛けた時間外取引による大量株式購入はどうなのかと言えば、これは現法律上では全く問題ないが、法整備の間隙を突いた方法でもある訳で、TOB宣言中にこの突如の状況は、ニッポン放送の一般株主から見ればアンフェア以外の何物でもないし、自己責任の範囲外の出来事と言うよりも、ある意味災難に巻き込まれた訳でこれはこれで大問題であろう。マーケットのスピードに付いていけない日本の法整備のお粗末さを露呈した感じであるが、現行法では問題ないのもこれまた事実である。

裁判でどういう判断が下るか分からないが、ただライブドアが負ける事は本来なら絶対にありえない訳で、もし負けた場合には、裁判所は万人が納得できる形で今回の措置が特例である事を知らしめる必要がある。五分五分なんていう意見がそもそもおかしい。絶対にライブドアが勝つのが当たり前なのである。ただ個人的な感情から正直に言えばライブドアがどうなろうと知った事ではないし、堀江社長の言い分には乗り切れない部分もある訳で、まぁご勝手に、という感じであるが、それとは別にして今回の新株発行の件が安易にそして感情論を優先して、もしくは政府筋からのやんわりとした圧力で認められてしまうのは、非常に危険である。この一件が特例としてでなくノーマルな形で認められてしまうと、株主無視の独裁的経営者の跋扈を許す事になり、それは最終的に株式会社と言うシステムそのものが破綻しかねない事態になるのだ、という点は押さえておきたい。そもそも日本的な株の持ち合いというルーズな関係を続けている緩さを突いた今回の方法を一定の評価をしないと、またしてもズルズルと身内資本主義にのめりこんでいく事にもなりかねない危険性を孕む。この一点においてライブドアに非は皆無である筈だ。

そもそもフジテレビとニッポン放送の株におけるいびつな関係は、例の鹿内一族との骨肉を争う一大抗争が発端である訳である意味身から出た錆でもある。現会長の日枝氏は、その『クーデター』の渦中にいたわけで何をか況やであるが、その辺を含めてフジテレビに同情できないのは、自業自得だろと言う点とこの問題が起きた途端に産経新聞筋に近い自民党の有力者がタイミングを見計らったかのようにライブドア叩きを始めたトコにもある。そもそも外資に散々日本国有の資産財産を売り払ってきた自民党関係者にガタガタ言える筋合いでもなかろう。

まぁあの社長さんがもう少し思慮深い口当たりの良い人なら圧倒的な勝負になったはずなのだが、メディアとネットの融合を試みていると言う肝心要のご自身がテレビの怖さ、メディアの怖さを承知しきれていなかった点が、本来なら絶対に勝てる勝負をミスミス落としそうになっている原因だろうか。プレゼンテーションのまずさを感じずにはいられない。彼にしたら新しい事を言っているのかもしれないが、結局は一昔前のリクルート前会長江副氏に通じる『理念無き膨張主義』を話全体から匂わせているのが、奥深さを感じないところであり、それが彼の強みであると同時に弱みでもあるか。ただ私にはバックに外国資産がベッタリ付いている丸紅グループによるダイエー買い取りの方が、今回の騒ぎより気になって仕方ない。

  by mf0812 | 2005-03-08 14:18 | ニュース・評論

<< NHL労使交渉、今週再開へ PREMIER LEAGUE ... >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE